事業譲渡の売買契約書に「社員は引き継ぐ」とある場合、譲渡と共に従業員が辞める場合は会社都合の解雇となるか

◯事案の概要

事業を売却したが、売買契約書の中の従業員に関する記載は「社員は引き継ぐ」となっている。譲渡と共に従業員が辞める場合は会社都合の解雇になるか

◯相談内容

ある事業を売却したのですが、売買契約書の中の従業員に関する記載は「職員は引き継ぐ」という一文のみになっております。

この場合、譲渡と共に従業員が辞めるという場合には会社都合の解雇になるのでしょうか?

新しい条件についての取り決めはありません、ただ、有給休暇の取り決めだけはあるようでそれを聞くと労働条件は一新される感じです)

◯菰田弁護士の回答

法的には一度退職して、新しい会社に雇用されるという建て付けになりますね。その上で、両社の合意で有給休暇の日数などだけ引き継がれることになります。

その際に新しい会社では働かない(新しい会社と雇用契約を締結しようとしない従業員)がいて、前の会社を自主的に退職もしないとなると、事業は新しい会社に移ったけど、従業員の雇用だけは前の会社に残っているという状況になります。それを無理やり辞めてもらうとなると、解雇という話になってしまいますね。

ただ、その前の会社がデイサービスしか事業がなくて、前の会社に残ってもらっても、やってもらう仕事がそもそも存在しない空っぽの会社になってしまったとかであれば、解雇の正当性は認められると思います。

もし、他の事業もあるということなら、その他の事業で働かせることができるので、解雇の正当性を基礎付けるのは難しいかもしれません。

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