◯事案の概要
受託者を信託監督人が解任する契約は無効となるか
◯相談内容
例えば、受託者が、信託契約に定める義務に違反し是正勧告した日から30 日を経過しても是正されないときなど、受託者を信託監督人が解任する契約は無効ですか?
信託監督人の権限を法定の権限を縮減することはできても、拡大する定めは無効との見解もあるようです。私は、受託者が暴走したときのために有効であると考えています。
◯菰田弁護士の回答
信託法58条3項で、受託者の解任は信託行為に別段の定めがあればそれに従うとありますので、信託契約で定めれば問題ありません。
解任に関して制約を課すのであれば、この条文に記載するはずですので、制約なく信託行為に委ねられているということは信託契約で定めれば問題ありません。
◯その後の相談内容
早速の回答ありがとうございます。
受託者が死亡などで、不在となった後の後継の受託者を信託監督人が選任することは構わないでしょうか?第62条で1項で、後継受託者を指名するものを信託監督人にしておけば可能だと思うのですが、いかがでしょうか。
◯菰田弁護士の回答
信託法62条1項で「信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき」とあるので、信託契約で後継受託者を定めておけば、これに該当しません。それで可能ですので、大丈夫です。
※本サイトに掲載された相談事例は、実際に会員様から寄せられたご相談について回答したものを簡略化して掲載しております。
ご入会されると、毎月のニュースレターでより詳しい解説をご覧いただくことが可能です。