新しい権利者に対する覚書きの効力について

新しい権利者に対する覚書きの効力について

◯事案の概要

隣接しあっている甲地からブロック・フェンスが乙地のほうにはみ出している。覚え書きに書かれた内容を第三者に承継させると記載があるが、新所有者に対してもこれは有効か

◯相談内容

隣接しあっている甲地と乙地があり、甲地からブロック・フェンスが乙地のほうにはみ出している状況です。この現状を確認することと、将来建て替えるときには撤去することを約束するのですが、覚え書きの第3条で、それを第三者に承継させる旨を書いています。これは有効でしょうか?

たとえば、甲地が第三者に売却され、新所有者が「こんな覚書など知らない」などと言い出したときに、本覚書は拘束力を持つでしょうか?

◯菰田弁護士の回答

あくまで今回の当事者同士での合意でしかありませんので、新しい所有者に対して対抗することができません。

多少担保するとすれば、今回の覚書の中に「土地の所有権を移転する場合は、本覚書の内容を新所有者に承継させなくてはならない」などと記載しておくことぐらいですね。

ただ、これを定めたとしても次の所有者にこの覚書の内容をちゃんと承継させることが確実かと言われると、そうとは限りませんので、そこはご留意ください。

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