競業避止義務違反と秘密保持

競業避止義務違反と秘密保持

◯事案の概要

会社退職時に『競業避止:なし、秘密保持:あり』の覚書にサインをした場合、『競業避止』には該当しそうなケースで、「秘密保持」の覚書違反となり得るか

◯相談内容

会社Aを退職(社員として勤務)し、会社Bを設立した方がいます。現在、会社Bが会社Aの顧客Cと取引を行っています。

顧客Cは、会社Aの業務を減らし、会社Bと契約してBの業務を増やしています。Bの代表は会社Aを辞めた時に、「取得した技術及び営業に関する秘密情報関して会社の許可なく発表、公開、漏洩、利用は退職後、○年間利用は行わない」という覚書にサインをしています。

競業避止の内容は入っておらず、特殊な技術を使っているわけでもなく、そこに「秘密」の要素はないかなと考えています。そのため、仮に会社Aから損害賠償のようなものを請求されたとしても会社Bの支払いは発生しないと思うのですが、いかがでしょう?

◯菰田弁護士の回答

A社の顧客情報を使っているのであれば、「営業に関する秘密情報」を使っているとして損害賠償請求は理論上可能でしょう。ただ、現実問題としてA社の顧客情報を使っているということを立証するのが難しいでしょうから、損害賠償請求をするのは難しいでしょうね。これを立証できるなら損害賠償請求は可能だと思いますよ。

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