記名押印をせず署名のみで契約書を作成する際の割り印について

記名押印をせず署名のみで契約書を作成する際の割り印について

2021年2月1日

◯事案の概要

記名押印をせず署名のみで契約書を作成したいと考えているが、割り印についてはどのように対処すればよいか

◯相談内容

契約書の押印についての質問です。

経済産業省が発表した「押印についてのQ&A」によりますと、「特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。」とあります。

①そこで、押印の手間などを考慮して、記名押印をせず署名のみで契約書を作成したいと考えています。

②契約書が数枚あり、ホチキス止めのみで作成した場合、ページが正しくつながっている証明として割り印を当事者が押していますが、Q&Aの理解として、割り印を押さなくても契約の効力に影響はないが、契約書のページを差し替えられる危険性があるという理解でよいでしょうか?

また、契約書のページを差し替えられる危険性を避けるためには、割り印が必要という理解でよいでしょうか?

③実は、割り印をしないで契約書を締結したいと考えていますが、そのリスクとしては、ページ差し替えの他に何かありますでしょうか?

◯菰田弁護士の回答

①について

もちろん署名のみで契約書を作成してもらっても何ら構いません。しかし、その署名のみで本人の意思表示を明確に証明しなくてはなりませんので、きっちり筆跡が取れることが前提になります。

個人間の契約なら良いのでしょうが、契約の当事者が法人で代表者が署名しないようなケースには使うのが難しいでしょうね。

②について

ページの間に押す割り印は、契約の有効性とはもともと関係ありませんよ。もともとページを差し替えることを防止し、ページが続いていることの証明として押しているものです。ですので、今回のQ&Aとページ間の割り印には何ら関係性はありません。

③について

その他には特にリスクはないと思いますよ。

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