占有と時効取得

占有と時効取得

◯事案の概要

売買にて取得した建物・土地において、測量の結果、建物の敷地として利用している範囲が他者所有の土地の一部を含んでいることが判明した場合、所有権の時効取得を土地の所有者に主張できるか

◯相談内容

Xは、平成21年○月○日、前所有者から売買により土地、建物を取得して同日所有権移転登記を完了した。

その建物の敷地として利用している範囲は所有権移転時から変更がない。また、測量の結果、その建物の敷地として利用している範囲がY所有の土地の一部を含んでいることが判明した。

このような場合、Xは、建物の敷地として利用してきたY所有土地の一部について所有権の時効取得をYに対して主張可能でしょうか。

◯菰田弁護士の回答

平成21年の売買契約の目的物にY所有土地の一部が含まれていれば成立の余地はあります。

あくまで、売買で手に入れた土地を自分の土地として使っていて、でも真実は他人の土地であったという状況が必要ですので、売買契約の目的物に含まれていなくてはなりません。

含まれていない状態で、事実上使っていただけということであれば、自主占有ではないので時効が成立しませんね。

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