第三者のためにする契約の契約書には所有権留保と履行の引受に関する規定が必要か

◯事案の概要
第三者のためにする契約について、所有権留保と履行の引受に関する規定が入っていない売買契約書で取引を進めることに問題はないか

◯相談内容
売買契約書の特約条項に基づき、いわゆる「第三者のためにする契約」により、現登記名義人から受益者へ直接の所有権移転登記を行います。私が参考にしている書籍によれば、所有権留保と履行の引受に関する規定も特約として記載すべきと説明されています。

ただ、要件事実としては既存の契約書の内容で十分であると考えており、所有権留保と履行の引受に関する規定が入っていない売買契約書で進めてしまっても問題ないと考えますが、いかがでしょうか?

◯菰田弁護士の回答
確かに先生のおっしゃるとおり、要件事実的にはこれで足りるでしょう。
所有権留保については、売主に所有権を留保しておいて、誰に所有権を移転するのか何らの指定もないままに代金を支払った場合でも、ちゃんと指定がなされてから移転させるための条項です。その方が紛争になりにくいからですね。

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