株式譲渡資金を法人設立日より前に振り込んだ場合の株式譲渡契約書の記載について

株式譲渡資金を法人設立日より前に振り込んだ場合の株式譲渡契約書の記載について

◯事案の概要

株式譲渡資金を法人設立日より前に振り込んだ場合の株式譲渡契約書の記載について

◯相談内容

法人設立はX月1日で、株式譲渡契約書もX月1日付けとなっているが、株式の譲渡代金を法人設立前(前月末日)に振り込みした場合、株式譲渡契約において「代金は振り込み済み」と記載して契約書を結ぶことは法的に有効か、という質問を会社からいただきました。

まず、売買自体は、代金の授受がなくても意思表示が合致していれば民法上は有効かと思います。ただ、会社がX月1日時点で存在しないため、「譲渡代金は前月末日付で〇〇株式会社の設立時代表取締役となる〇〇の個人銀行口座へ預り金として振込済みで、会社設立後に株式会社〇〇の口座へ振替えるものとする」などと記載しておけば問題ないと考えますが、いかがでしょうか。

契約書で代金の支払いと株式の譲渡を同時履行とし、代金の支払いをもって株式譲渡の効力が生じると定めている場合は話が変わってくると思いますが、そのようには定めていないかと思います。

◯菰田弁護士の回答

先生がおっしゃるとおりで問題ありません。確かに厳密に見ると、法人がまだ存在しないので、そのような解釈になります。ですので、預り金があり、その返還請求権を弁済に充てるという形で問題ありません。

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