賃貸人変更について賃借人への通知のみで良いか、賃借人の署名押印が必要か

賃貸人変更について賃借人への通知のみで良いか、賃借人の署名押印が必要か

◯事案の概要

個人A所有の賃貸不動産に関して、法人Bとサブリース契約を締結したため、賃借人に対して賃貸人が変更することを伝えたい

◯相談内容

別件でご相談なのですが、個人A所有の賃貸不動産に関して、法人Bとサブリース契約を締結しました。つきましては、賃借人へ賃貸人変更通知を出そうと思っています。

内容としては「現在個人Aを賃貸人としていますが、Aの賃貸人としての地位はBに承継されます」という通知のみで、賃借人の署名や捺印までいただく必要はないかと考えておりますがよろしいでしょうか。

◯菰田弁護士の回答

これはNGですね、賃借人の署名押印が必須になります。

現在、「個人→賃借人」という賃貸借契約ですが、それを「個人→法人→賃借人」とするものです。要するに、賃借人は、今まで「賃借人」という立場だったのが「転借人」という地位に変更されます。

これは当初の賃貸借契約を解約して新たに賃貸借契約を締結している状況ですので、賃借人の承諾が必須となります。

もしかすると、現実的には問題は発生しないかもしれませんが、法的には必須です。税務上使いたいだけということであれば、もしかすると何かトラブルに発展するかもしれないリスク含みで、通知のみで済ませるのも一つの選択肢だと思いますよ。

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