◯事案の概要
病院建物の信託の件で、医療法には見当たらない規制について税理士より相談を受けている
◯相談内容
病院建物に関する信託の件でご質問です。
医療法では所有者でないと病院の増築が認められないため、信託契約内容に記載があっても受託者の権限では増築できないのかとの問い合わせを、税理士より受けております。
私の読み込みが甘いのか、医療法を確認しましたが、そのような規制は見受けられませんでした。もしくは細かい規則にあるのかもしれません。
菰田先生の方で同じようなケースに関わられていたらご教示いただけないでしょうか?
◯菰田弁護士の回答
私もこの税理士さんが仰っている医療法の規制というものが不明ですね。
おそらくですが、医療法人は財産的基盤がしっかりしていないといけないので、医療法人が運営する病院や診療所の施設自体は賃貸より所有が望ましいと厚労省のガイドラインで言われています。万が一、賃貸で何らかの事情があって賃貸借契約が解除されたりしてしまうと、 病院の経営自体ができなくなるかもしれないからです。
これとの兼ね合いで、病院を増築するとすれば、その増築部分の所有権を医療法人が有していることが望ましいことになりますので、その話をしているのではないでしょうか。
あくまで望ましいとされているだけですので、医療法上禁止されているわけではありません。医療法人以外が所有者であっても、それで許認可が取り消されたりするわけではありませんので、なるべく財産的基盤が害されないような方法で進められれば良いと思いますよ。厚生局と相談しながら進めるのも良いでしょう。
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