◯事案の概要
嫌がらせ目的で他の社員について虚偽の事実を投書箱に投稿する社員に対し、懲戒処分を科すことができるか
◯相談内容
A会社には匿名の投書箱があり、そこに連続で社員Dから投書が寄せられました。その内容は「社員Bと社員Cが不倫している」というものですが、調査しても社員Bと社員Cが不倫している事実はありません。
A会社としては、Bに好意をもっている社員Dが嫌がらせのために投稿していると推測しています。
上記の場合、匿名の投書箱を会社が特定し、社員Dに懲戒処分(虚偽の投稿をし、会社秩序を乱そうとしている)を科すことができますか?というご相談を受けました。
弊所の見解ですが、匿名の投書箱でいくら虚偽の投稿をしているとはいえ、会社がそれを特定し、個人に懲戒処分を科すというのは匿名の投書箱の存在意義を失わせるため、難しい。よって、あくまでヒアリングの一環として、社員Dに二人の状況を聞くということからさりげなく注意喚起を行うという程度に留めるべきと考えます。
◯菰田弁護士の回答
虚偽であるということ自体が推測でしかありませんので、まずは状況を確認し、その上で何らかの矛盾が判明して虚偽であることが判明したならば、懲戒処分を行うことも可能だと思います。
しかし、そうでないならば、やはり懲戒処分を行うことは違法性が高いでしょうね。
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