就業規則に「タバコを禁止する」という内容を入れることは可能か

◯事案の概要
就業規則に「タバコと刺青を禁止する」という内容を記載したいが、タバコを禁止することは個人の自由によるところが大きく、規制が難しいのではないか

◯相談内容
就業規則に、刺青とタバコを禁止とする内容を入れたいと思っております。この場合、タバコに関してですが、会社側に禁止することについて、どれだけの裁量があるものでしょうか?タバコの禁止って刺青と違って難しいような感じがするのですが。

◯菰田弁護士の回答
まず前提として、就業規則でタバコを禁止すると言うときの「禁止する」の趣旨を明確に検討されてください。禁止するというのが、服務規律として禁止をするだけで特に罰則がないのか、懲戒対象となるのかによって考えも変わってくると思います。
実際、上場企業でも喫煙者を採用しない会社や、プライベートも含めて一切喫煙を禁止する会社も多数あります。今のところ、喫煙を禁止することで懲戒対象にしたとしても、それが無効だと争われた事例もありませんし、無効だという判断をされたものもありません。
結局のところは、タバコが嫌いな人と好きな人とどちらを優先するかの問題ですので、そこの比較衡量になるでしょうが、健康上メリットがない事は明らかですし、世の中禁煙ムードが高まっている状況では、タバコを禁止することを裁判所が違法だと断定することはなかなか難しいでしょうね。

※本サイトに掲載された相談事例は、実際に会員様から寄せられたご相談について回答したものを簡略化して掲載しております。
ご入会されると、毎月のニュースレターでより詳しい解説をご覧いただくことが可能です。

関連記事

  1. 会社公認の部活動を始めたい

  2. 宿日直手当が支給される場合の割増賃金単価について

  3. 派遣労働者の同一労働同一賃金(退職金)について

  4. 障害者が傷病手当金を申請するための要件として障害年金の支給決定が必要か…

  5. テレワーク導入にともない、従業員の個人携帯の番号を聞きたい

  6. 割増賃金の算定基礎から除外できる家族手当の要件について

  7. 喫煙者を採用したくない

  8. 顧問先の従業員から直接社労士事務所にクレームが入った

PAGE TOP