ユニオンに対する評価内容等の開示を英文で行うことについて

ユニオンに対する評価内容等の開示を英文で行うことについて

◯事案の概要

ユニオンに対する評価内容等の開示を求められている。開示情報の内容は全て英文となるが、従業員本人は理解に問題がない資料について翻訳まで求められた場合に応じる必要があるか

◯相談内容

少し前にユニオンに対する評価内容等の開示についてご相談をさせていただきました。根岸病院事件なども踏まえて会社側と相談し、開示する情報と開示できない情報の選別をおこない、基本的には従業員に開示していない内部評価基準などを除き開示する方向で進めております。

開示情報の内容はすべて英文の情報となります。資料等の内容が理解できることは社員の必須条件のため、英文資料以外は作成していないことは確認済みです。そのため、団体交渉では英文のまま開示をする予定です。

話し合い時に質問などは応じますが、日本語化には応じないという対応を取りたいと希望しています。はっきり言ってユニオン側に英語が堪能の人がいないことを想定した嫌がらせでしかないと思っていますが、従業員本人は問題ない資料について、翻訳などまで求められた場合に応じる必要があるのでしょうか。

私は半分ぐらいしか理解できないので、私用に日本語化してもらった資料は存在しますが、公式にはそういったものは存在していません。おそらくこういった嫌がらせのような判断は過去にないと思いますので、菰田先生のご意見としてお伺いできればと思います。

◯菰田弁護士の回答

私は必要ないと思いますよ。英文だと理解できないので、日本語訳のものを用意しなくてはならないとなると、自分は素人のため就業規則の日本語が難しすぎて理解できない部分があるから、就業規則を日常的な日本語に噛み砕いて説明した説明文を別途作成しなさいという要求も同じことになります。

各種資料の開示義務はあっても、それを従業員のレベルに合わせて分かりやすく作り変えてあげなければならない義務は法律上ありませんので、全然構わないと思います。

※本サイトに掲載された相談事例は、実際に会員様から寄せられたご相談について回答したものを簡略化して掲載しております。
ご入会されると、毎月のニュースレターでより詳しい解説をご覧いただくことが可能です。