就業規則と個別の労働契約ではどちらに優位性があるか

◯事案の概要

ある会社の就業規則では「土曜・日曜・国民の祝日」を会社休日と定めているが、「休日はシフトによる」という個別の労働契約を締結した社員から反論があった場合、就業規則と個別の労働契約ではどちらに優位性があるといえるのか

◯相談内容

ある会社の就業規則では「土曜・日曜・国民の祝日」を会社休日と定めています。

一方で、ある従業員と、「1週40時間勤務(1日8時間の週5日勤務)・休日はシフトによる」という労働契約(個別)を締結しましたが、当該従業員から「就業規則では土曜・日曜・祝日と定めがあるのに、労働契約(個別)での休日はシフトによるというのはおかしい」という具合に、労働契約(個別)に納得がいかないと言われました。

就業規則の定め通りに働くと、今年のGWの様に祝日が多い週になると休日が増えますので、どうもこの辺りが原因のようです。会社としては労働契約に定めた労働条件で働いてほしいようですが、就業規則と労働契約(個別)の優位性について判断がつかない状態です。

私の見解として、就業規則に優位性があるのはわかっていますが、個別で契約(従業員も一時は納得した)した以上、会社の意向を貫いても良いのではないかと思っておりますが(法的根拠はありませんが)如何でしょうか?

また、何か争いに発展した際にどのようなリスクがあるのかも分かりません(就業規則上の所定労働日数と労働契約での所定労働日数の違いからくる賃金の差はあるかと思います)。

基本的な相談で申し訳ないのですが、就業規則と労働契約(個別)の優位性・その他リスクについて、ご教授願います。

◯菰田弁護士の回答

労働基準93条で「労働契約と就業規則との関係については、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十二条の定めるところによる。」と定められており、労働契約法12条で「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」とされています。

今回の「土日祝日」と「シフト制」のいずれが労働者にとって有利なのかは分かりません。というか、どっちが有利とかないでしょうね。

この「シフト制」が「土日祝日」と比較して、休日日数が少なくなるのであれば、それは不利になっているため、「就業規則で定める基準に達しない労働条件」となってしまいます。

そのため、仮にシフト制を適用するとしても、「土日祝日」の場合と同じ休日日数を確保できれば、問題ないと思いますよ。

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