役員に就任したときではなく実際に退職したときに退職金を支給したい

◯事案の概要

役員に就任したときには退職金を支給せず、実際に退職したときに退職金を支給するという運用は可能か

◯相談内容

退職金規程について相談させてください。

退職金の設計は会社ごとに自由であることは承知していますが、あるクライアントから、退職金規程の規定を下記のようにしたいと相談を受けています。

「一般従業員が役員に就任した時には(退職ではないため)退職金を支給せず、勤続年数を通算する。実際に定年等で退職した時に、それまでの勤続年数等に応じて退職金を支給する」

国税庁の下記ページを見る限り、計算方法さえ間違えなければ特に問題ないと考えますが、その解釈で合ってるでしょうか?

参考/No.5203 使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5203.htm

逆に、「役員就任時に、退職扱いとして、退職金を支給する」というルールでも問題ないと考えますが、この解釈も合っているでしょうか?

◯菰田弁護士の回答

使用人(従業員)が役員になった場合、2つのルートが存在します。

①使用人としての雇用契約は解消され、役員としての委任契約1本になる場合(純粋な役員)

②使用人としての雇用契約が残り、純粋な役員ではなく使用人兼務役員として役員となる場合(使用人としての雇用契約と、役員としての委任契約が併存する)

この2パターンがあります。

①の場合、雇用契約が終了する以上は退職ですので、従業員としての退職金はそのタイミングでしか支給できません。

②の場合、使用人としての雇用契約が残りますので、従業員から役員へ昇格する際にまだ退職扱いとせず、退職金を支給せずに使用人兼務役員が終了した時点で退職金を支給することも可能です。

「国税庁の下記ページを見る限り、計算方法さえ間違えなければ特に問題ないと考えます」

上記の②なら良いですが、①ならダメですね。

「役員就任時に、退職扱いとして退職金を支給するというルールでも問題ないと考えます」

これが通常の退職金制度かと思います。

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