◯事案の概要
年俸制の最低賃金の計算方法として、年棒額を12で割りたいが、労働局からは15で割るように話された
◯相談内容
年俸制の最低賃金の計算方法を知りたいのですが、こちらでよろしいでしょうか。
その会社は年俸額を15分の1として月給として支給し、15分の1.5ヶ月分を2回、賞与として支給しています。
最低賃金を計算するときに、15分の1の月額を月の所定労働時間で割ると、最低賃金を下回ります。しかし、年俸額を12分の1して月の所定労働時間で割るのはどうでしょうか。この方法であれば、最低賃金を下回りません。年俸制の最低賃金の計算方法は規定されていません。
労働局の賃金課で確認しましたが、労働局の方は15分の1を所定労働時間で割るように言われました。実態として賞与を支給しているなら、それは最低賃金の計算に入らないといわれましたが、納得いかないところがあります。
◯菰田弁護士の回答
年俸制というのは1年間で報酬を決定しますので、そもそも賞与という概念が存在しません。なので、実態として賞与支給しているように見えても、それは年俸の一部を支給しているに過ぎません。
そうなると、1年間に支給されているものの合計額が年俸になりますので、その年俸額を12カ月で割れば良いでしょう。東京労働局の質疑応答でもこの考え方ですので、先生の考え方は間違っていません。
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