役職手当や管理監督者手当が深夜手当の代わりという共通認識がある場合について

役職手当や管理監督者手当が深夜手当の代わりという共通認識がある場合について

2019年12月6日

◯事案の概要

深夜手当の不払いが起こっている会社があり、役職手当や管理監督者手当が深夜手当の代わりという共通認識があったが、就業規則、賃金規程には、「深夜手当を含む」とは書かれていない

◯相談内容

実質深夜手当の不払いが起こっている会社があります。深夜1時くらいまで営業しているため、深夜労働は日常的です。社長としては、役職手当や管理監督者手当が深夜手当の代わりという感覚で来ていました。従業員もその理解です。

私もその考えは理解できます。ただし、就業規則、賃金規程には、「深夜手当を含む」とは全く書かれていません。

過去の最高裁の判例では、
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労働協約や就業規則などに
管理職の給与には一定額の深夜労働手当を含める旨が
記載されている場合、その時間分の深夜労働手当は不要
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となっています。

下記のようなルールで進めれば、労基署の調査や訴訟になった場合に対抗できますでしょうか?(訴訟になると個別具体的に見られるので、判断が難しいと思いますが)

①賃金規程に、下記のように記載する
・役職手当には深夜手当を含む(金額は役職手当の8割とする。想定する時間については各自の雇用契約書に規定する)
・管理監督手当には深夜手当を含む(想定する時間については各自の雇用契約書に規定する)

②各自の雇用契約書に下記のように記載し、従業員の署名押印をとる
「役職手当 □万円(●時間の深夜手当を含む)」
「管理監督手当 □万円(△時間の深夜手当を含む)」

※ちなみに、この会社で管理監督手当を支給する人はマネージャーですが、マネージャーは労働基準法で言うところの管理監督者ではありません。

◯菰田弁護士の回答

このような形で就業規則や雇用契約書に深夜割り増し分の固定残業代を明記していれば問題ありません。

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